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「八重の桜」の記事

テクノクラート・スターター 山本八重 その2

2013/12/19         

雑賀衆、信長など銃砲の威力によって日本の軍事技術を変え、ひいては西欧的な経済システムとそれを支えるキリスト教の精神を取り込んだ人間たちの存在に触れる事で、「砲術を極める事によって世の中は変わる」という意識が育ったのではないか。また、鎖国日本を置き去りにしたような欧州の軍事技術発展史に「変化は世の習い」という歴史の原則と、技術が歴史を作る生々しさを感じ取ったのではなかろうか。あるいは「自分も革命の一...

テクノクラート・スターター 山本八重 その1

2013/12/19         

砲術を習い始めた少女の頃の八重たんは、「この時ある、を既に予測していた」のではないか。「この時」とは会津藩崩壊を含めた社会の変容である。高島流砲術とは当時の日本で最新の部類に入る「ハイテクロノジー」である。江戸も後期に入ってから長崎出身の高島秋帆がそれまでの日本の銃砲の歴史、西洋知識等を元に構築したものだが、それは言わば戦国以来の日本及び近代欧州の歴史(戦史)、経済、政治、技術史を集積したものでも...

私はあきらめねえ

2013/12/16         

八重が最後に対峙したのは、国権拡張に貢献しようとする教え子・徳富蘇峰、そして会津で戦いに身を投じる自分自身であった。最後に空に向けて撃った弾丸は、時代の暗雲を果たして払ったのか。「自分は本当に正しいのか?」蘇峰と、戦火の八重を通して我々に最後に突きつけられたのはこの問いではないのか。自信を持って自分の戦いを「正しい」と言い通せるか?そこにどれだけの信念や真実が存在するか?そもそも答えなど存在するの...

いつの日にも花は咲く

2013/12/10         

とうとう15日、日曜で『八重の桜』も最終回。考えてみれば知らず知らず、綾瀬はるか演じる八重たんを心の支えにして生きてきたような1年であった。終わらないで欲しいよう、八重の桜!とか思っても実在の人間たちが主人公なのでそういう訳にもいかない。実際、限りある命を不屈の心で精一杯生きて戦うから人間は美しいのであって、いつまでも死なないのでは美しくは無いのである。竹村洋平版コミックも3巻、会津戦争の終結と京都で...

「強さ」「やさしさ」は戦いの結果得たもの

2013/11/11         

10月から始まった連続テレビ小説『ごちそうさん』は最近ストレス溜まる出来だ。舞台が大阪になってから、主人公が周囲にイビられる「過去しょっ中いろんなところで見た展開」になってしまい、「いい加減やり返せよ!」と自分は思うのだが、世間の多くの人は「(現実もドラマも)こんなものだ」と思っているのか、こういう展開のドラマはいつの時代にも登場する。こんな無駄な忍耐が偏重される国は、日本だけではないのか。確かに、...